土壌の化学特性について

植物と土壌の化学特性は密接に関わっているけれども、今までちゃんと勉強してきてなかった。

勉強ついでにここにメモを残しておこうかなと思った。

 

編集途中ですが、とりあえず公開しています。


どうやら土壌はマイナスの電気を多く持っているらしい。

というのも、

なんかわからんけど、粘土鉱物と腐植したものが結合することで「土壌粒子(土壌コロイド)」っていう粒子を形成する。

で、この粒子の表面にはマイナスの電荷を持っていて(図の左)、プラスの電荷を持つカルシウムとかマグネシウムのような栄養になるイオンを吸着、保持(図の右)する。


ここで大事な用語として、交換性塩基塩基飽和度というものがある。

交換性塩基

語弊があるけど、ざっくり言うと

・Naイオン、Kイオン、Mgイオン、NH4イオンのような陽イオン

・Hイオンは除外(農業上だとNaイオンも除外)

 ※丁寧に言うと

 「土壌コロイドに吸着保持され、かつ容易に他の陽イオンに置き換わる陽イオンのうち水素以外のもの」

 

塩基飽和度

・陽イオンを保持できる容量(たぶんマイナスの電荷の数)に対する交換性塩基が占める割合

・飽和度100%で土壌は中性を示す。

・飽和度が低くなると酸性を示す。

 

例えば下の図だと、

陽イオンを保持できる容量はどちらも8つ

左側の交換性塩基はNa+以外の7つ、右側はH+とNa+以外の5つって感じ。

左側はほぼ中性で、右側は弱酸性ぐらい


なんとなく土壌中の化学反応というか化学的なやり取りがわかった。

じゃあ、土壌のpHが変わるのはなんでだろうか


湿潤条件(降水量 > 蒸発散量)では、

土壌は酸性に傾く。

 理由:①降雨由来の酸

  雨水へのCO2の溶解・解離

  →雨水が土壌に浸透

  →雨水中のH+が交換性塩基を交換

  →塩基飽和度が低下

  →土壌の酸性化

  ※水に炭酸ガスが解けた時の反応

   炭酸ガスができる(CO2 + H2O ⇔ H2CO3

   水素イオンと炭酸水素イオンに分かれる(H2CO3 ⇔ H+ + HCO3⁻)

   水素イオンと炭酸イオンに分かれる(HCO3⁻ ⇔ H+ + CO3²⁻)

  ※塩基飽和度100%=中性、60%=弱酸性(参考:全国農業協同組合連合会pdf資料「塩基飽和度」 

 理由:②生物活動に起因する酸

  植物根による陽イオンの過剰吸収、硝酸化成、有機酸生成

  土壌微生物による有機物の分解(重炭酸、有機酸、硝酸イオンの放出)

  ※硝酸化成=土壌中のアンモニア態窒素(NH4)が酸化され、硝酸態窒素(NO3)が生じること

  ※有機酸=シュウ酸、クエン酸、ピシジン酸など(難溶性リン酸からリン酸を溶解するために生成)

 

多くの草原は火山灰に由来する土壌(黒ぼく土)に成立する。

 →そのため、土壌は酸性でリン酸吸収係数が高い。

 ※リン酸吸収係数=土壌がリン酸を吸収(固定)する程度

 

日本の草原の土壌について

多くの草原は火山灰に由来する土壌(黒ぼく土)に成立する。

 →そのため、土壌は酸性でリン酸吸収係数が高い。

 ※リン酸吸収係数=土壌がリン酸を吸収(固定)する程度

 

湿潤条件(降水量 > 蒸発散量)では、土壌は酸性に傾く。

 理由:①降雨由来の酸

  雨水へのCO2の溶解・解離→雨水が土壌に浸透→雨水中のH+が交換性塩基を交換→塩基飽和度が低下

  ※水に炭酸ガスが解けた時の反応

   炭酸ガスができる(CO2 + H2O ⇔ H2CO3)

   水素イオンと炭酸水素イオンに分かれる(H2CO3 ⇔ H+ + HCO3⁻)

   水素イオンと炭酸イオンに分かれる(HCO3⁻ ⇔ H+ + CO3²⁻)

  ※塩基飽和度100%=中性、60%=弱酸性(参考:全国農業協同組合連合会pdf資料「塩基飽和度」

 

 理由:②生物活動に起因する酸

  植物根による陽イオンの過剰吸収、硝酸化成、有機酸生成

  土壌微生物による有機物の分解(重炭酸、有機酸、硝酸イオンの放出)

  ※硝酸化成=土壌中のアンモニア態窒素(NH4)が酸化され、硝酸態窒素(NO3)が生じること

  ※有機酸=シュウ酸、クエン酸、ピシジン酸など(難溶性リン酸からリン酸を溶解するために生成)

 

 

耕作履歴のある草原(丹野ほか 2016)

・コドラートあたりの外来植物種数が高い

・各外来植物の出現頻度が高い

・土壌のカルシウム含有量はコドラートあたりの外来植物種数と正の関係

・土壌のカルシウム含有量はセイタカアワダチソウ、ネズミムギの出現頻度と正の関係

 

・pHの低い土壌

 交換性カルシウムや交換性マグネシウムなどの塩基が溶脱している場合が多い(三枝・木村 2005)

 そのような土壌では外来植物の生育が抑制される(杉浦ほか2010、田中ほか2011)

・硝酸態窒素含量

 ナギナタガヤ、ネズミムギの出現確率と正の関係

 セイタカアワダチソウ、ヒメコバンソウとは関係が認められず

 土壌中の窒素含有量が高い場所は多くの外来植物の生育に適する(Wedin&Tilman1996、Stohlgren et al.1999)

 →外来植物の侵入に影響、種ごとに影響を精査する必要性あり

 

 

参考資料

三枝正彦, 木村眞人編 (2005) 土壌サイエンス入門、文永堂出版

全国農業協同組合連合会pdf資料「塩基飽和度」https://www.zennoh.or.jp/activity/hiryo_sehi/pdf/naru_en.pdf

全国農業協同組合連合会pdf資料「土壌の塩基」https://www.zennoh.or.jp/activity/hiryo_sehi/pdf/qa_dojo.pdf